固定観念
〜舟バタのシルシ〜
昔、楚の国のある男が、舟に乗って川を渡っているときに、
うっかり持っていた剣を水のなかに落としてしまった。
あわてて彼は小刀を取り出し、
大急ぎで舟バタにシルシを刻みつけた。
「舟バタにシルシを刻みつけて、いったいどうするんだい?」
一緒にその舟に乗っていた仲間が思わずそう訊ねると、
男は、
「オレの剣は、ここから落ちたのだから、こうしておけば剣のありかがわかるだろう?
舟が止まってから、あとでゆっくりこの下を探せばいいのさ」
と得意顔で言ったという。
そのあいだにも舟はどんどん川下に流されて行った。
(ビジネス寓話50選より抜粋)
この話は、
単なるバカ話ではありません。
もしかしたら、
今取り組んでいる方法や手段は
固定概念や今までの考え方にとらわれていて、
この男のような状態にあるかもしれません。
周りの状況、状態を確認し、
改善が必要なことはしていかなければ、
この男のようなことになってしまいます。
心構えこそすべて
鈴木康介